2型糖尿病患者の心イベント再発のリスク因子を特定

2008-11-20 16:34:35 -0400 (ロイターヘルス)発

ニューヨーク(ロイターヘルス)‐Diabetes Care誌11月号に掲載された所見によると、毎年、心血管疾患(CVD)イベントの既往のある糖尿病患者の約6%に主要なCVD合併症が再発する。

「CVDの既往のある患者におけるCVD再発予防は、医師にとって困難な課題である」とRegione Piemonte(イタリア キエリ)のDr. Carlo B. Giordaらは記している。

同研究者らは、糖尿病クリニックのネットワークにおいて標準治療を受けた2型糖尿病患者について研究した。同研究者らは、ベースライン時にCVDが認められた患者2,788名(コホートA)および観察期間中に初回の発作のあった患者844名(コホートB)を対象に、それぞれ解析を行った。

4年間の追跡期間中、コホートAの414名およびコホートBの54名に1件以上のイベントが再発した。コホートAにおける年齢で補正したイベント再発率(1,000名・年あたり)は、男性で72.7、女性で32.5であった。コホートBにおけるイベント再発率は、男性で40.1、女性で22.4であった。

多変量解析では、年齢、男性およびインスリン投与(単独もしくは経口薬併用)は、コホートAにおける再発を独立して予測した。

コホートBでは、血清トリグリセリド値1.69mmol/L以上がリスクを独立して予測する唯一の代謝因子であった。

両コホートにおけるCVD再発の最も強力な予測因子はCVDの既往、特に心筋梗塞であった。

これらの結果には有意な臨床的意義がある、と著者らは述べている。「第一に、CVDの発症が心筋梗塞または血行再建(もしくはイベントの併発)である糖尿病患者、特に高齢男性には、綿密な追跡調査および強化治療を行う必要がある」と同著者らは説明している。「第二に、インスリン投与患者では、イベント再発の頻度が高かった」と同著者らは述べている。「第三に、トリグリセリド高値の糖尿病患者はCVDの2次予防において積極的な治療の対象となると考えられる」
Diabetes Care 2008;31:2154-2159.
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(日本語訳文責:兼松ウェルネス株式会社)